長距離4年の重盛克彦です。
まずは色紙を用意してくださった皆様、ありがとうございます。
たくさんのメッセージに心が温まりました。
しばらくのあいだ、自分やチームの走りにばかり集中していたし、集合練も長距離だけ別だったり、対校戦もなかったりで、STFという大枠を感じることが減っていたように思います。でも、色紙にある名前を見て、やっぱり「STFが」好きだなと嬉しくなりました。
当日もお守り代わりに持っていこうかななんて考えてます。
本当にありがとうございます!
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このブログを書く前に、先輩方の最後の予選会ブログを読んできました。
外山さん。小関さん、しょうごさん、きだいさん。
山下さん、飯田さん、井上さん、高木さん、千田さん。
宮澤さん、池田さん、志村さん。
(抜けてたらごめんなさい)
このブログを書いたのは同じ4年(5年)の選手だったのか、なんて立場を重ねながらも、やっぱり先輩たちはいつまでたっても先輩なので、自分よりもいくらか大人っぽく感じます。
もしも同期だったら心強い。
どのブログも他の話題よりずっと熱を帯びていて、やっぱり予選会は特別だよなと勝手ながら励ましてもらいました。過去の先輩の歩みや頭のおかしさを知ることができるので、古いブログを読むのはおすすめです。
さて、そろそろ本題。
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別に、走るために入学したわけじゃないです。
この先も走ることを生業にして生きていくつもりだってありません。
つもりはないし、実際そんな力もない。
でも、じゃあ遊びなんだねって言われると、一端にはムッとします。
こんなに苦しい遊びがあってたまるかと思うし、これが遊びなら、他のなにが本気なのかも分かりません。
それでも、予選会の先を目指す強豪校に言わせれば、全てを捧げきれない片手間の努力は「本気」じゃないのでしょう。
何のために走っているのかを考えると、必ずしも自信のみなぎるようなポジティブな結論に辿り着くわけではありませんでした。
◇
かの外山先輩は、こんな言葉を遺して卒業されました。
(昨年(主に石嵜からの)ウケがよかったので、今年もあやかろう)
「自分を信じろ。夢を持て。諦めるな。
大きな夢であるならば、何かを犠牲にする覚悟を持て。
(単位は取れ。)」
バイトも遊びも勉強も捨てきれなかった自分が(バイトは捨てたけど)。
お菓子を食べて、ゲームで夜更かしして、昼まで寝ているような自分が。
文字通り人生を懸けて、何をも犠牲にしている彼らの前で、人事を尽くしたという資格があるだろうか。対価を支払えばいいというわけじゃないけれど、俺は陸上にすべてを捧げたとか、記録が伸びず挫折しただとか、あたかも全力を尽くした末にそう感じているかのような言葉を口にするのは、とんでもない嘘つきではないか。
近頃よく聞くようになった、「関カレと予選会は同価値か?」という声。
前のブログに書いたとおりです。難しさの質が違うとはいえ、競技レベルで言えば予選会出場の方が簡単なのは明らかです。本気で取り組んでいるつもりでも、もっと本気の人を見ると自分の目指している場所が大したことなく思えて、少し惨めな気持ちになりました。もしかしたら、同じくらい本気でやっているのになぜ格が違うんだろう、なんて勘違いした疑問を持っていたから、そう感じたのかもしれません。
「決してサボっていた訳ではないが、オリンピックで活躍するにあたって並大抵ではない努力がもし必要だとしたら、私の努力は「並」ではなかったか…そのことに、5000m予選の直前になって、はたと思い当たってしまった。」(田中希美/豊田自動織機TC)
ならば、時折気を抜いていた自分の努力は「並以下」ではなかったか。
最近になってこんな風に、チームの目標や自分の努力が相対的にはレベルが低いという(既知の)事実について、受容を迫られることが多くなりました。出来の悪い成績表を顔に押し付けられているような気分で、分かっていたけど認めたくないものです。
悪意が無くても、そう言われるとプライドが傷ついてムッとするけれど、図星すぎて振り上げた拳の行き場に困る。さすがにそのままぶん殴るのはヤバい奴だから(昭和ならやってた)、なんとかポジティブに変換して受け流そうとして、いまこの瞬間に一念発起すればいい、いまから変わればいいと思い立つけれど、「大した目標」を掲げるにはもう遅すぎることが明白で、結局苦笑いしかできない自分が情けない。
だから、仕方のないことや理不尽なことに救いを求めたこともありました。
「コロナで練習できなくて。」
「ケガしちゃって。」
闘いきれない自分は、ようやく今頃になって言い訳を探し始めている。引退して年をとって誰かの輝かしい成績を見つめながら、コロナがなければ、ケガがなければ、自分も今頃は…。そう言い逃れる権利を欲した。
◇
特別な何かを持たない一介の選手が、輝かしい成績を手に入れるなんてできっこないって、そんなことは最初から分かっていました。それでも本気と言い張って走り続けたのは、いつまでも夢の途中にいたかったからです。
競技者なら誰もが一度は妄想するような、最高峰の舞台。最高峰といってももっと現実的な、日体の最終組近くとか、各種マラソンのエリート枠とか、それくらいでいいんです。(いつも妄想していると下津みたいな妄想厨になっちゃうけど、ただの一度も思い描いたことがないというのもまた、諦めがよすぎると思います。)
そういう憧れを持っているのに、夢に対して不誠実な自分が恥ずかしかった。ましてや予選会で同じスタートラインを踏むのは、言うなればド誠実な猛者たち。実力よりも態度の面で引け目を感じてしまった。
◇
実力も気概も、積み重ねたものに巨大な差があるということは分かった。でも来るところまで来てしまった。入部当初、中距離に行きたいという長谷川を長距離に引きずり込み、800mが専門の下津を巻き込んで、予選会予選会と扇動(先導?)してきた。
だから、せめて嘘つきのまま走りたくはない。明日レースを走る瞬間だけはただただ全力で在りたい。俺は全力だったと、明日のレース中のみに限っていいから、誇りを持ってそう言えるような誠実な時間にしたい。
頑張ります。たぶん辛くて、苦しくて、途中から垂れる口実ばかり探してしまうけれど、それを振り切って走ります。一瞬も妥協のない走りを。応援に恥じない走りを。
明日は応援よろしくお願いします。
◇
もっと長期的な話で、夢に対して誠実な選手になるためには、少し時間が必要だと思います。それはこれから変えていくしかありません。自分でも何言ってるかよくわからないけれど、一生をかけて挑戦すると覚悟を決めたなら、じきに嘘つきではなくなるのではないでしょうか。
逆に、一生たたかい続けた何かが本気じゃないなんてことがあるものか。
明日をきっかけに変われたらなと思います。
社会人になってからも走ろう。
いま決めた。
◇
4年目も10人揃えて走ることができて、本当によかったです。
部員の勧誘頑張るぞって思っても、結局残るのは自分から走りたいと思ってる奴だけ。「誘われたから入りました」で続けられるほど長距離は甘くない。つまらなくてキツい時間の方が多いからこそ、それを走らされるという考えでは標準だって切れない。
それが分かっていたから、場馬が入部してきてくれた時は本当に嬉しかった。
自分から走りたいと言ってくれる子が来た。実は他にもマークしてた子はいたけど、こっちがなんとか説得するみたいな感じだったから、無理に入れても主体的にやってくれるかは分からなかった。LINEの名前がジョウカーだった時はヤバい奴だと思ったけど馬馬だからジョウカーなんだね。やっぱりヤバいな。
初めての予選会、楽しんでいこう。場場ならいい記録が狙えると思う!
長谷川、最後は惜しかった。
1年のときの川口(去年のラストチャンス)で一番悔しがっていたのが植田で、当の長距離ブロック員である長谷川や永森は平気そうな顔してたから、こいつら悔しくないのかってスパイクで殴りそうになった。でも今年はちゃんと悔しがってくれたから、安心した。きっと次に繋がる。そういう情動はモチベの源泉だから大事にするといい。この冬に切るぞ。
永森。いつも何考えてんのかわからないし、トンチンカンな質問ばかりだし、電車の中で上裸になるし、セクハラするし、本当にヤバい奴だと思う。いや本当にヤバいな。
マジレスすると標準を切ってくれたときは嬉しかった。久しぶりにあんな全力で人を応援したと思う。不器用だけど少しづつ伸びてるから、標準の次の目標も見据えて慢心せずにいこう。初ハーフは緊張するかもしれないけど、いい集団見つけてくらいついていけ。
青木。なんか青木って応援したくなるよねってマネージャーの誰かが言ってた。誰だっけ。たっぷりと応援してあげてください。
次期ブロック長ということでこの先大変だと思うけど、今回は何かを背負う前の最後のレースとして、純粋に楽しんだらいいと思う。お腹のことは忘れてがむしゃらに走ろう。
石嵜。在学中は勝ち逃げできるかな〜とか思ってたけどそう甘くはなかった。淡々とやることやって、しっかり記録を出して、たまに問題発言して、選手としていい歩みだと思う。ドライっぽく見えて「関カレは出たいんすよね〜」とか言ったり「〇〇記録会でますぇ〜ん?」とか誘ってくるし、走ること自体が好きなんだなってよく感じる。翌週の連戦頑張ろう。
ダイス。大エース。やるなら今年やってほしい。というのは俺のワガママだけど、めちゃくちゃ期待してるし信用してる。去年の予選会で、スタート直後に大東の集団に突撃していったのはすごく勇ましかったしかっこよかった。
今年はもっとついていけるはず。今年もテントで出迎えてくれ。
武藤。昨日の集合で下津はよく泣くとかそんな話をしたけど、その次に泣くのは武藤のイメージがある。合宿の2000-2000-1000も、秋季OPのレース後も、声を震わせていたし、MKで標準を切ったときは雄たけびをあげて喜んでいた。
YOSHIKIがアツい奴なのはみんな知ってる。明日もアツい走りを見せてくれ。
久松。何回叱ったかな。「LINEの9割がお説教じゃないですか」って言われたときはさすがにそれはないだろと思ったけどそうだったわ。草。
でも標準を切ってくれてありがとう(1年生の久松へ)。マジレスするとそういう状況ながらも部を離れず最後まで向き合ってくれたおかげで今年も出られる。ありがとう(3年の久松へ)。明日は何としてでも完走しろ!
松尾。焦った。唯一の同期なのに相談できなかったのも申し訳ない。
2年の冬ぐらいまで、抜きつ抜かれつの本当にいい勝負をしてたと思う。たぶん俺らのほかに強い経験者がいたら心が折れてたと思うし、一人では競争意欲を持てなかった。間違いなくあの頃の競り合いがあったから今がある。ありがとう。
明日はよろしくね。
下津。まず今年も長距離に力を貸してくれてありがとう。
俺が中距離に行ったり、下津が長距離に来たり、グランディアで遊んだり、波に乗ったり、家を建てたり、競技も遊びも接点多かった。競技面では明日が最後の接点になるんだねって言おうとしたけど、奥多摩渓谷駅伝があるからまだだね。4区よろしく!!
ほんとは尊敬してるとか恥ずかしくて書けないな。直接言うのはもっと恥ずかしいから、いつか人づてに聞いてくれや。
p.s.このあと15時半くらいからAPEXかマイクラやらん?
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ああ、ホワイトボードの格言を説明するのを忘れていました。
高校の先生が教えてくれた言葉です。「結末が分かっていても、漢ならやらねばならぬときがある」という意で教わりましたが、吉田松陰の障害と時代背景を考察すると、もう少しスケールの大きい言葉のようです。詳細はググってください!
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本当に長くなってしまいました。
あと十数時間でスタートだなんて信じられません。
さっさと準備して、よく寝て、よく食べて、明日に備えたいと思います。
応援のほど、よろしくお願いいたします。
長距離ブロック 4年 重盛克彦