お久しぶりです!
短距離ブロック4年の鈴木菜月です。
引退からもう半年ほどが経ったみたいで、時の流れの早さを感じます。STFには沢山お世話になり、いろんな思い出があって、引退の時や追いコンだけでは話せなかったこともあるので、4年間を振り返りながらこの場を借りてお話したいと思います。
長いと思いますが、さらっと見てくれると嬉しいです^^
私は中高と陸上をやってきて、高校2年生の秋に400mHへの競技転向をしました。そこからうまいことに記録も伸び、上り調子のまま高校引退の日を迎えました。
引退してから卒業するまでの半年間、全く運動もせず、甘いものも体に悪いものも沢山食べて陸上のない日々を思う存分楽しみました。大学に入ったら有り余る時間の中でたくさん遊んで、勉強して、バイトをして、旅行に行って、たまにサークルで運動して‥‥そんなキラキラ大学生ライフを描いて、胸を躍らせていたのを覚えています。
そんな私に転機が訪れました。高校の顧問からSTFの先輩(大木さん)を紹介され、体験練習に参加することになったのです。一度離れていた陸上に触れると6年間の色んな思い出が蘇り、高3県予選のマイルで自分が白線を踏んで失格になったこと、400mHではゲリラ豪雨の関東でベストだったこと、ずっと出したかったけど出せなかった100m12秒台。そういえば結局不完全燃焼だったな、、と。
陸上を続ける気はなかったけど、真剣に走る姿がかっこよくて、雰囲気がよくて、キラキラしていたSTFの先輩たちを見て、ここでなら頑張っていけるそう思い、早い段階から入部を決意しました。
そんなこんなで一生やらないと思ってた陸上に戻り、決してキラキラとはいえない(基本ジャージ)大学生活を過ごすことになりました。
当時はまだまだいけそうな自分を知っていたからこそ、期待と自信で溢れていたと思います。そんな時、大きな障害が出てきました。ブランクとコロナです。1年ほどの大ブランクを埋めるために練習しなきゃ行けないのに、部活もなかなか始まらず競技場も空いてなくて、思うような練習が出来ませんでした。1人で場所を見つけて練習しても、想像してた自分の走力との乖離から焦りが生まれ、気づいたら陸上が自分の負担になっていました。練習"しなきゃ"。筋トレ"やらなきゃ"。目標に向けて練習する気持ちはいつの間にか消えていて、私が練習する理由はただの使命感でした。
2年生からはようやく部活という組織の中で練習が出来るようになりました。みんなで励まし合って練習できる嬉しさを噛み締めながら、なんとかブランクを取り戻し100m、200mは自己ベストに近い記録、400mHでは関東新人の標準も切ることが出来ました。やっとスタートラインに立った安堵と、同時にこの環境と練習で結果を出すのは無理だと自分の限界を薄々感じるようになりました。かといって、それ以上の強い気持ちが持てず、目標と自分の意志との矛盾にもどかしさを抱えていました。限られた中で努力をしているけど、与えられた環境だけでは結果には繋がらない。本気で向き合いたいけど、 それ以上が出来ない中途半端な自分。
結果を出せないことを環境のせいにし、それでいいやと甘えている自分にも嫌気がさして、、負のループ続きでどんどん陸上が嫌いになっていました。自由な環境だからこその苦しみだったと思います。おそらくこれからもそういう思いをする後輩達もいるんじゃないかな…?と思ったり、思わなかったり。
大学でも練習すれば簡単に記録を更新できるだろうというのは浅はかな考えでした。結局大学では、個人として大きな成績を残すどころかどの種目においてもベストすら出すことができませんでした。陸上に限らずおそらく大学で競技としてやる部活は、練習の量だけじゃなくて自分が強くなるための知識と思考力が求められるからこそ、一筋縄ではいかない難しいものだと思います。そしてSTFは、練習も知識も思考の部分も全て自分でプラスアルファの時間を作っていけなく、自分を律する難しさもあったと思います。
だからそんな時は、STFの仲間で乗り越えて欲しいです。競技力とか陸上経験とか目標とか様々だけど、強くなりたい思いはみんな一緒です。1人で陸上に向き合うのは、メンタル面でも競技面でもマイナスになってしまうと4年間を通して感じたことで、特に3.4年生になって思いました。
短距離ブロック長を務めたことやリレーに力を入れるようになったことに関係していると思います。当時の短距離は、一人一人が自分の競技に集中してるけど、個々を尊重しあうチームとしてのまとまりか薄れていました。結果がすべて。結果が良ければ何をしてもいい。もちろん陸上は結果が大事だし、いい結果を出すことに勝ることはありません。強豪校であれば話は別ですが、少なくとも色んな目的や目標を持って入ってきた人がいるSTFで結果だけを強要する雰囲気は果たして正解なのか。難しいチーム作りでした。
短距離のみんなにとってどんな時間になったかはわからないけど、競技についてじっくりみんなで考えたり、意見を気軽に言ったり、できるだけチームとしての時間を作るように心がけました。少なくとも私はこの時間が有意義で、新しい考えと刺激で視界が開け、モチベーションにも繋がりました。みんなとコミュニケーションを交わして、知識も思考も吸収していき、練習に繋げていくことで、結果に繋がらなくても意味のある時間になっているような感覚でした。
リレーメンバーでもメニューの相談とか走りの分析とかをたくさんするようになって、すごく刺激的な日々でした。私以外は21の代で同期ではないけれど、ずっと一緒に練習をしてきて、プライベートでも仲良しくしてくれて、どんなときも陸上の話をして、チーム力はどのチームにも負けないと自信を持って言えたと思います。たくさん標準切りを目指してきたけどなかなか条件が揃わず、50.20の壁を切れませんでした。上南戦が最後の挑戦。最後に円陣を組み気持ちを高め、攻めのバトンで、49.89を出しました。
49秒のアナウンスが聞こえたあの瞬間、今まで頑張ってきてよかったと何かが報われたような気持ちになりました。これまで結果で何も貢献できなかった自分が最後に少しだけでも後輩たちに貢献できたこと、チャンスを作れたことにほっとした自分もいたと思います。そして何より大好きなメンバーと最後に目標を達成して、嬉しさを分かち合うことができて本当によかった。最後の最後に忘れかていた陸上の楽しさを再確認できました。
1人では苦しいものも、仲間が何人もいればその分だけ励み変わります。綺麗事かもしれないけど、一匹狼にならず部員同士でたくさん意見共有して、切磋琢磨して、楽しく陸上をやって欲しい。部活に所属する意味はそこにあると思っています。
この4年間様々な思いを持って陸上をしてきて、振り返ると苦しい思い出の多い競技生活でした。記録に伸び悩めば悩むほど自分の目標が分からなくなったり、いまやっている練習が本当に力になるのかと疑心暗鬼になったり。なんで陸上やってるんだろう、辛いなぁと思う日々もたくさんありました。そんな思いをする中でも私の支えであり続けたのはSTFという心地の良い居場所でした。私がこの引退までの3年半、陸上に向き合い続けられたのは紛れもなくみんなの存在があったからです。
個性が豊かすぎて収集のつかないくらい面白い同期。
たくさんバカにしてきたり、時には意見の食い違いで衝突もしたけど結局一番お世話になった20短距離。
たくさん可愛がってくれた頼もしい先輩方。
同期のように切磋琢磨してくれた短距離女子。
未熟なブロ長についてきてくれた短距離のみんな。
練習、試合でたくさん支えてくれたしごできマネージャー。
「もう陸上なんて一生やるもんか」そう思っていた高校生の私にとってSTFでのこの4年間は想像もしてなかったと思います。陸上の難しさも楽しさもたくさん経験し、満足いくような競技生活ではなかったけど、これまでやってきたことは後悔していません。様々な縁のおかげであの時STFに入部する決断をして本当によかったと今では自信をもって言えます。
みんなのおかげで充実した楽しい陸上生活を送ることができました。
本当にありがとうございました!
これからも皆さんの活躍を楽しみに応援しています!
頑張ってね〜!!
20短距離 菜月
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